野外職場 の 熱中症 を 防ごう!
~対策義務化の改正労働安全衛生規則施行(6月1日よ
り)に当たって~
2025年6月号 福永慈二
気象庁によると今年の夏も高温の見通しで、熱中症リスクが高いようです。2025年5月27日付産経新聞は建設業界の熱中症対策の取り組みについて報道し、その対策のポイントを次のように伝えています。
《熱中症対策のポイント》
発 見 *普段と様子が違った場合は 熱中症のおそれがある作業離脱 *体を冷やしながらスポーツドリンク(アミノの多
身体冷却 いものは体温を上げるので要注意)や経口補水液 などで水分・塩分を補給。*発症者を1人にしない ことが 重要。*単独作業の場合は、発症者と同僚 が連絡を取れる体制を作る 搬 送 *自力で水分を補給できない症状では救急搬送が 要 その他 *警戒すべきなのは疾患を持つ人 (特に糖尿病・高 血圧の人)*暑くなる前に数日―2週間程度、無理 のない範囲で汗をかく運動をして暑さに体を慣らす 「暑熱順化」が重要。なお、多くの図書館に置かれていて、広く読まれている医学博士・谷口英喜氏の著作『熱中症から命を守る』(評言社)の中心点を紹介すると次のようになります。
(1)熱中症とは「熱に中(あた)って様ざまな症状がおこる病気で、蒸し暑さ・高温が原因で体調を崩してしまう病気。屋内・夜間でも、屋外・昼間(昔は日射病と言った)でも、起こる病。
(2)熱中症対策 ①エアコン(冷房・除湿)の適切利用。冷気を吸うので体内も冷える。 ②喉が渇いていなくても定期的に水を飲む習慣をつける(めやすとして、コップ1杯180mlを、総計で1日8杯)。日常的水分補給としてはコーヒー・お茶も可。 ③ウオーキング・スクワットで筋肉をつける(筋肉は水分の貯蔵庫) ④自律神経の活性化(睡眠、運動、規則正しい生活)。 ⑤暑熱順化―汗ばむ程度の運動を適度に。 ⑥食事はタンパク質・ビタミンC、緑黄野、豚肉。 ⑦お出かけグッズ―帽子、日傘、汗拭き、飲み物、扇子・うちわ。
(3)熱中症は、大汗・水不足による軽度の「脱水症」(初期)から始まり、この段階では血液が行きわたらずに手足が冷たくなる。「めまい」「立ち眩み」「なまあくび」「大量発汗」であれば「日陰(冷所)で休む」「経口補水を飲む」(500mlの飲料水または煮沸水+3つまみの塩+手のひら一掬いの砂糖)を利用。無ければ「真水」(塩だけではダメで水と一緒に)で対処する。冷たいもので首元、わきの下、脚の付け根を冷やす。
(4)熱中症の重度は、重度「脱水症」(体内水が10%以上不足)に「異常高体温」が加わった状態。ここに至ると、高体温で臓器タンパク質の変性が起こり、多臓器不全を引き起こす。「頭痛」「吐き気」「虚脱感」が始まる。自分で自力で歩けなくなったら病院へ―「#7119」へTELし、医療機関への搬送追及を。
何よりも、 日頃からきちんと対策を積み重ねておくことが大切です。準備あれば憂いなし!
【お知らせ】
「天地人」欄には「科学者の言葉」を載せてきましたが、現在は「開拓者の物語」を載せています。困難な時代、激動する時
代を迎えつつある今、改めて過去の各分野で活躍した「開拓者」
の生きざまから学ぶ必要を痛感します。
『コラムー天地人』の「開拓者物語」欄に、「北海道十勝野開拓の祖・依田勉三物語」を連載しています。ぜひご一読下さい。
また、2024年1月より、幕末維新の伊豆松崎が生んだ依田勉三の師である『土屋三余先生物語』を全文掲載しています。
◎幕末維新の伊豆松崎が生んだ十勝野開拓者・依田勉三
の師 『土屋三余』
●著作者
北海道開拓史研究会(代表:福永慈二)
松崎三聖人(土屋三余・依田佐二平・依田勉三)を顕彰する会
●発行者
三余塾 土屋直彦
〒410ー3626 静岡県賀茂郡松崎町那賀73~1
(『北海道十勝野開拓の祖・依田勉三物語』上・中・下巻の
購入希望者は三余塾・土屋さんへ。各巻1500円プラス送料)
✉ gbccq165@ybb.ne.jp
《殿上義久氏(東海大学海洋学部卒・音響地質学研究所)によって発表された『液状化P波原因説』》
◆『飽和砂の剪断に伴うP波の発見とP波による液状化の発見―液状化の本質的原因とは何か?~教育おもちゃエッキーによる定性実験とその考察(1)~』
◆『液状化地域と周辺部における大地震時の音と揺れに関する面接調査~地震計ではとらえきれない物事の探求~』
《矢嶋信幸氏の『揚げ船』論文紹介》
質問のある方は下記へメールを。
geo-s4@geo-stage-four.tokyo
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