第四紀=人類紀の地質問題

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遅れている地震液状化対策の現状!


                                          2026年5月号   代表  福永慈二


   日本經濟新開の2026年4月29日付記事『地震液状化対策に遅れ』は、《地震で地盤が「液状化」する被害への対策が被災地以外で進んでいない。建物の傾斜やインフラ損傷といったリスクの周知が十分でなく、国の交付金を活用する動きも鈍い。専門家は長期目線に立った備えの重要性を訴える》とし、『国の交付金 活用鈍く』との見出しで、次のように報じています。

 

  「やっと不安がなくな った」。熊本市南区の近見地区で保険代理業を営む60代男性は安堵の表情 を浮かべる。 

  10年前の熊本地震で南区では前震、本震ともに震度6弱を観測。男性が所有するビルは液状化で傾き使えなくなり、2019年に建て替えた。市内では約2900戸が傾いたり沈下したりし、上下水道管などのライフラインも損傷した。 

   市は19年度から、国が地盤改良にかかる費用を補助する交付金「宅地液状化防止事業」を活用し 工事を開始した。近見地区などを対象とし、26年 3月に全工程を終えた。総事業費は約131億円だった。  

      注:宅地液状化防止事業   道路などインフラと宅地の一体的な液          状化対策を推進する事業。国は原則として費用の4分の1を補助す        る。 熊本地震などでは特例的に補助率が2分の1に引き上げられ  

      た。 活用するには▽道路や公園、下水道など公共施設に液状化被 

      害が発生する恐れがある▽液状化リスクの高い区域が3千平方以

      上で、区域内の家屋が10戸以上などの要件を満たす必要がある。 

    液状化は地震の強い揺れで地盤の土や砂が水分と混ざり合い、泥のように軟らかくなる現象だ。地下水位が高い砂地盤などで起きやすい。

同事業は11年の東日本大震災後の13年に国が創設した。震災では千葉県浦安市や茨城県神栖市など、関東地方を中心とした広い範囲で約2万7千件の宅地被害が出た。 24年の能登半島地震でも石川県や富山県などで被害が発生した。 

    前身の制度は東日本大震災の被災地を対象とし ていたが、同事業では他の地域でも適用可能となった。

   液状化による被害を抑えるため、道路や下水道といった公共インフラと隣接宅地の地盤を一体的 に改良する点に事業の特徴がある。集水管などを使って地下水をくみ上げて液状化リスクを減らす「地下水位低下工法」と呼ぶ工法などが使われる。 

   ただ、国土交通省によると、これまでに熊本地震の被災地以外で同事業による地盤工事が完了した例はない。能登半島地震の被災地では活用を進める動きがある。 

   国の補助額以外の費用は自治体がまかなうほか、対象区域の住民にも負担が発生する可能性がある。このため合意形成のハードルは高い。熊本市の場合、国の補助額以外の費用は市の財源で補い、工事後の設備の維持管理費を含めて住民負担はゼロだった。同事業の活用には住民の8 割超から同意を得た。市の液状化対策技術検 討委員会で会長を務める北園芳人・熊本大名誉教 授は「維持費を含めて公費負担としたことで地震 後10年という異例の早さ で完了した」と話す。 液状化は南海トラフ巨大地震でも発生が懸念される。政府が25年3月に公表した被害想定では、液状化により全国で 最大11万棟が全壊、33万 棟が半壊する可能性がある。 

   日本海溝・千島海溝を震源とする地震でも被害の恐れがある。政府は日本海溝地震で約7400棟、千島海溝地震では約1600棟が沈下・傾斜すると試算している。対策の動きはまだ鈍い。東京都葛飾区は国の事業とは別に、個別住宅に対策工事を施す場合に 工事費の2分の1を最大130万円まで助成している。利用実績は14年4月から26年3月までの12 年間で1件しかない。区の担当者は「住宅の耐震化などと比べて関心が高まっていない」と明かす。 

   行政によるリスク周知も十分ではない。国交省によると「液状化ハザードマップ」をウェブ上で公表している自治体は今年3月時点で、全体の3割弱にあたる464市区町村にとどまる。 

   同マップは洪水や土砂災害のハザードマップと異なり、法的な作成義務はない。 

   自衛に向けてはどうすればいいのか。 

   地盤災害に詳しい「だいち災害リスク研究所」 (東京・渋谷)の横山芳春所長は「転居時は液状化リスクの高い地域かどうか調べておくことが重要だ。現在の地震保険では液状化被害もカバーされるので、加入しておくのも手だ」とする。 そのうえで、地域一帯で機運を高めるには「自治体がハザードマップの周知や、不安を抱く人への相談窓口の整備を進め、住民とリスクを共有することが前提になる」 と指摘する。 

 「区画単位での地盤強化工事の実施について、事前に官民が連携して合意形成を図り、費用を長期的に積み立てておくのが理想だ」と話す。


【現状について私が思うこと】

    4月29日付日経新聞報道が語っているように、 政府が進めている現在の液状化対策は「道路や下水道といった公共インフラと隣接宅地の地盤を一体的に改良する点に事業の特徴」があり、その為「集水管などを使って地下水をくみ上げて液状化リスクを減らす」という大規模な「地下水位低下工法」と呼ぶ工法などが使われます。その場合、戸建の住宅の液状化対策は工事費が補助されることになっていますが、それでも自己負担が多く、液状化対策工事実施は進んでいません。熊本市のように区域全体に対する行政支援(全額補助)がなければ、到底実現するものではありません。                                                                          実際、こうした大規模工法による液状化対策は、住民の金銭的負担が重く、多くの場合了解が得られず、ほとんど進んでいません。東京都の葛飾区では戸建て住宅の液状化対策として工事費の半額130万までが補助されることになっていますが、それでも自己負担が多く、液状化対策工事実施はまったく進んでいません。                                             「自衛」(戸建て住宅の液状化対策)をどうすればよいか、との問いに対して、「だいち災害リスク研究所」 (東京・渋谷)の横山芳春所長も、「官民官民が連携して合意形成を図り、費用を長期的に積み立てておくのが理想としか答えられていません。これが実情です。この問題の解決は、われわれが以前から主張し、現在開発を進めている、【殿上P波液状化理論】安いに基づく簡易液状化判定法の運用、安い費用で可能な【ドレーン工法】による液状化対策を行うのがベストなのです。そのためにも、一日も早く、地質・地震・地盤関連の諸学会が【殿上P波液状化理論】を公認し、液状化調査方法の簡易化、及び簡易液状化対策としての【ドレーン工法】の開発を早急に推し進めることが求められています。

                 ≪お知らせ≫

「天地人」欄には「科学者の言葉」を載せていましたが、現在『天地人』の欄には「開拓者物語」として、「北海道十勝野開拓の祖・依田勉三物語」を連載しています。

   また、幕末維新の伊豆松崎が生んだ依田勉三の師である『土屋三余先生』、伊豆松崎が生んだ至誠の実業家『高橋亘翁伝』を全文掲載しています。

 ◆幕末維新の伊豆松崎が生んだ十勝野開拓者・依田勉三の師 

  土屋三余先生


◆伊豆松崎が生んだ至誠の実業家                             高橋亘翁伝

 

                ●両著の著作者    GS4代表:福永慈二

              ●両著の発行者 

               丸高愛郷報徳基金   松崎町道部380-1                                          TEL   0558-42-0040

                            ( 両著とも無償)



 ◆北海道十勝野開拓の祖・依田勉三物語 』              上・中・下巻     (各巻とも1500円+送料)

                 ●著者   北海道近代史研究会・福永慈二

                 ●発行者    三余農園(土屋直彦)

                 410-3626 静岡県賀茂郡松崎町那賀73~1  

                   

 

■《殿上義久氏(東海大学海洋学部卒・音響地質学研究所)によって発表された『液状化P波原因説』》

    ◆『飽和砂の剪断に伴うP波の発見とP波による液状化の発見―液状化  

     の本質的原因とは何か?~教育おもちゃエッキーによる定性実験とそ 

     の考察(1)~』

    ◆『液状化地域と周辺部における大地震時の音と揺れに関する面接調査

     ~地震計ではとらえきれない物事の探求~』


深所の土の正確な採取のために開発された小型の「地盤用サンプラー」

■《矢嶋信幸氏の『揚げ船』論文紹介》

    ◆『天災を乗り切る《揚げ船》のしくみ~津波避難船計画~』



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